米委託販売 : 東京各廻米問屋開始
東京廻米問屋組合員一同は農商務省の嘱託に依り去月十五日以来仮本部を芝浦日の出町山田商店に設け而して深川廻米問屋組合は横浜及び東京の恵比須、新宿、池袋、芝浦の五箇所に神田川廻米問屋組合は隅田、両国、新宿の三箇所に各支部を設け専ら官米売却に尽力し相当好成績を挙げ得たが時日の経過するに従い罹災消費者の救済について殆んど遺漏なきを期し得たるも生産者に対しては値鞘の拡大と輸送機関の不円滑なりし結果甚大なる打撃を与えつつあり而も一部識者の外之を顧みるものなきを遺憾とし組合員一同は地方救済の意味を以て組合連帯責任存続期間六箇月の組織に依り地方よりの委託販売を開始すべく該仮事務所を神田佐久間町一の一九に支部を恵比須、池袋、新宿、芝浦に設け無為替、成行売を引受けると共に荷為替を取組み居るものに対しては市価の七割まで引受け又個人の委託米に対しても共同計算に依る事とし十月十日より取扱を開始した、尤も現在に於ては政府の買上げに依り普通委託米を受け難き関係もあり二十日買上げ結了を見るも充分其機能を発揮し得ざるも既に県庁より委託販売を引受けたるものもある由又官米八十四万石中…
渋沢栄一
麻糸の値段引上 : 協定確実か
最近麻糸に対する需要旺盛にして共同販売所は之に応じ兼ね申込の何割かを約定しているような始末である、一部には大変災後一層節約の風を生じ一般の買気は麻より綿に移動するだろうとの悲観説もあるが反面に蚊帳類其他の焼失したるもの莫大なれば来年の需要は相当期待し得られると観る向多く加うるに今度の震火災に依り帝国製麻は工場が無事なりしも同社の新堀倉庫四棟、横浜倉庫二棟全焼し其他京浜の東神及渋沢の二倉庫に委托しありたるもの等四月以来不需要期に入りて売行き不振の跡をうけ麻糸及麻製品庫中に充満していた為焼失したるもの時価三百万円以上に上り居り、又日本製麻は赤羽工場の三工場中一工場全潰し麻糸生産能力は当分四割強減少見込なる等より従来の如き供給過剰の憂を除きたること需要に於いて弗々蚊帳の製織を開始する時機なること並に八月に思い切って値下げをした共同販売所協定値段が震火災後暴利取締りの声高き折柄値上の時機を失い今に其儘の値段なるに先高見込確実なれば需要家が之を好買時機として買注文を為すは当然の帰結である、随って之に対して会社側が申込通りの数量を応ぜざる現状にある理由は日麻…
渋沢栄一
鉄道省の復旧復興予算 : 一億七千五百万円
鉄道省では既報の如く本年度更正予算並に来年度予算に関して局長会議を開催種々協議する処あったが兎に角過般決定した復旧費七千五百万円の財源の確立せぬ以上は折角今日編成を為すとも更に修正を要することとて之れが予算並に今回の震災に依って変動を生じた旅客の情勢に適応する施設 京浜間就中東京田町間山手線中央線東京上野間等の都市復興に資すべき線路増設及新設を行う 所謂復興予算を確定し大蔵当局と折衝の上其財源を依然鉄道は特別会計であるが改良工事同様益金に依って之れが遂行をすべきか又は借入金によるべきかを決定し然る後本年度予算更正予算及び本年度予算を編成するに一致した即ち其結果として鉄道省では十八日午後一時から山之内鉄相外各局長等参集之れが協議を為し遂に復興費総額は一億万円五箇年継続事業復旧費七千五百万円三箇年継続事業復興復旧費総計一億七千五百万円と決定十九日大蔵省に廻送交渉を開始する運びとなった即ち左の如くである 復旧、復興予算 復興費七千五百万円 大正十二年度著手十四年度完成 復興費一億円 大正十二年度著手大正十六年度完成 総計一億七千五百万円 因に本…
渋沢栄一