渋沢栄一 LOD ビューア
日記DiaryEntryDKB20001m-0229

八月十七日

日付
1915-8-17(day)

説明

八月十七日 火 朝来快晴、残暑再燃ノ想アリ、 午前六時 起床、入浴シテ、日記ヲ編成ス、畢テ演説筆記ノ校正ニ勉ム、朝飧後、家人ヲ催シテ一同 函根 ニ抵リ、余ハ往程ハ竹輿ヲ以テシ帰路ハ人車ニ乗ル、元箱根ナル松坂楼ニ小憩シ午飧ヲ食シ、湖面ノ風光ヲ眺望ス、早朝ニハ一天雲ナキカ如キモ 十時 頃ヨリ各峰雲霧湧出シテ終ニ富岳ヲ観ル能ハサルノミナラス 上山 《(神)》、 駒ケ岳 サヘモ其巓ヲ掩フテ全山ヲ見ルヲ得サリキ、午飧後小憩シテ帰路ニ就キ、 午後四時 小涌谷 ニ帰寓ス、後又、筆記ノ校正ヲ為ス、 東京 大沢 氏ヨリ書状来リ 実業之世界社 ヨリ依頼ノ序文原稿ヲ送致セラル、又、 小暮 房雄 氏ヨリ来書揮毫ノ催促アリ、夜飧後、新聞紙類ヲ一覧ス、 十一時 就寝

現代語訳

朝から快晴で、残暑がぶり返したように感じられた。

午前六時に起床し、入浴して日記を整理する。それを終えて、演説筆記の校正に努める。朝食後、家人を促して一同で箱根へ行き、私は往路は竹輿を用い、帰路は人力車に乗った。

元箱根の松坂楼で少し休み、昼食をとり、湖面の風光を眺望する。早朝には空一面に雲がないようであったが、午前十時頃から各峰に雲霧が湧き出し、ついには富岳を見ることができなかったばかりでなく、神山、駒ケ岳でさえもその頂を覆われ、全山を見ることができなかった。

昼食後、少し休んで帰路につき、午後四時、小涌谷の寓居に帰る。その後また、筆記の校正をする。

東京の大沢氏から書状が来て、実業之世界社から依頼された序文の原稿を送ってこられた。また、小暮房雄氏から来書があり、揮毫の催促があった。夕食後、新聞紙類に一通り目を通す。

午後十一時、就寝。

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見出し

八月十七日 火

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