犬養逓相渋沢子に懇望 : 両汽船合同問題に就て
郵船、東洋汽船合同問題は湯河原に静養中であった渋沢子の帰京と共に愈々進展すべく同子爵は一両日中井上準之助氏と会見同問題について協議することとなったが両氏は一昨年来この件について居中斡旋に立てる行懸り以外に昨多犬養逓相は渋沢子を招致し 我海運界の現状は誠に憂慮に堪えざるものあり殊に郵船の内紛東洋汽船の窮状の如きは国家事業たる船舶業を廃減に導くに外ならぬ今日之が対策として一日も早く両社を合同せしめ将来の根本国策を樹立せねばならぬことは御同感のことと思うついては貴殿は従来合同問題には尽力された関係もありこの際是非井上氏と共に之が成立に斡旋せられたく逓信省としても犬養自身立ってこの問の誘導に努めたい と懇談を重ねた即ち渋沢子の病中井上氏が郷、岩崎両男とこれが具体案を議したのも安田銀行からの依頼以外に犬養逓相の御声がかりがあったからで斯うした事情の下に今後は犬養逓相、渋沢子、井上氏の共同斡旋に加うるに郷男、岩崎男及び桑山逓信次官等の補佐斡旋も問題の進行を助成すべく之につき渋沢子は左の如く語った 合併問題につき井上、郷、岩崎三氏間に協議中なる旨は湯河原で…
渋沢栄一