渋沢栄一 LOD ビューア
日記DiaryEntryDKB20008m-0065

三月六日

日付
1925-3-6(day)

説明

三月六日 金 晴 軽寒 午前八時 起床、洗面、朝飧例ノ如クシテ、後、 東京 ヨリ携帯セシ書類ヲ調査ス、午飧後、 田中 栄八郎 氏霊気術行使者タル 牛田 従三郎 氏同伴来訪ス、事務所 増田 明六 モ来話ス、霊気術者タル 牛田 氏ハ予カ宿痾治療ノ為メ 田中 氏ヨリ勧告セラルルナリ、依テ其術ヲ行フニ至リタル沿革ト根本ノ主義トヲ聴取シ、其術ヲ受ク、蓋シ其施術ノ方法ハ頗ル簡易ニシテ、先ツ受術者ヲ褥中ニ安坐セシメ、施術者ハ手ヲ以テ受術者ノ胸部ニ置キ、凡ソ二十分余ニシテ又左右方向ヲ転ス、後頭部及頭部ヲモ同様ノ方式ニテ通計一時間程ニテ施術全ク畢ルモノトス、但、此霊気行使ノ方法ハ 臼井 某ノ発明ニテ、今日ノ施術者タル 牛田 氏ハ其施術ノ免許ヲ得タルニ付行使スルトノ事ナリ、而シテ此施術ハ概略一週日ヲ要スルニ付、明日ヨリ来リテ施術スヘキ事トス 午後五時 大滝 博士来診ス、依テ頃日ヨリノ症状ヲ説明セシモ、博士ハ診察上特ニ他ノ症状ナシト診断シテ、夜飧後、 午後七時 過 増田 同行帰京ス、夜飧後、例ノ如ク新聞紙ヲ朗読セシム

現代語訳

午前八時、起床。洗面、朝食は例のとおり済ませ、その後、東京から携帯してきた書類を調査した。

昼食後、田中栄八郎氏が、霊気術の施術者である牛田従三郎氏を同伴して来訪した。事務所の増田明六も来て話をした。霊気術者の牛田氏は、私の持病治療のために田中氏から勧められた人である。そこで、その術を行うに至った沿革と根本の主義とを聞き取り、その術を受けた。

その施術の方法はきわめて簡易で、まず受術者を寝具の中に安座させ、施術者は手を受術者の胸部に置き、およそ二十分余りで左右の方向を変える。後頭部および頭部にも同様の方式を行い、通計一時間ほどで施術はすべて終わるものとする。ただし、この霊気行使の方法は臼井某の発明で、今日の施術者である牛田氏はその施術の免許を得ているので行使しているとのことである。そしてこの施術はおおよそ一週間を要するので、明日から来て施術することとした。

午後五時、大滝博士が来診した。そこで近ごろの症状を説明したが、博士は診察のうえ、特にほかの症状はないと診断した。

夕食後、午後七時過ぎ、増田と同行して帰京した。夕食後は、例のとおり新聞を朗読させた。

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三月六日 金 晴 軽寒

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