ダンロップ護謨肩代り : 英国代表来朝し本年中[昭和十一年]に解決せん : 資本関係は日本六、英国四か : 評価問題が最難関
ダンロップ護謨極東株式会社の日本資本肩代り問題は既に久しい間日英関係業者注目の的であり既報のごとく渡英中の神戸極東会社重役ウィルソン氏の帰国を見、今後急速に局面の展開が予想されていたが本月二日には英国本社の代表取締役シー・エー・プロクター氏が肩代り全権委員長の格で極東会社創立の元動ミルワード氏とともに英国から来朝、目下極東会社専務武藤健氏との間に折衝が開始されているが、かかる本社からの有力代表の来朝は肩代り問題が愈よ予備折衝の段階から本格的交渉に入るものとして一般から注視されている、交渉の内容は厳秘に附されているが諸種の事情から推して 一、全面的肩代りは考慮の余地なく、日本資本対英国資本の比は最小限度五一対四九、大体六〇対四〇位に落着くのでないかと予想されている 一、従って技術的連絡は従前通り 一、最も難関は株の評価如何であるが、これと密接な関係をもつものに販売権の範囲という問題がある 一、即ち支那市場に於ける販売権をどうするかということになるが、これは場合によっては支那に於ける日英両資本の正面衝突を惹起する虞れがあるので何等かの妥協が期待され…
渋沢栄一