火保会社の借入能力 : 具体案を政府に提示 : 問題は資金貸付条件如何
火保問題の解決に対する具体案は二十三日各務、高木両氏が農商務省を訪問して之を提示したが右は曩に当局の指示した 一、一億八千万円の資金を全部火保問題解決の為めにのみ使用し得ざる事 二、利率年二分というが如き低利では政府が資金の融通をなさざる事 三、出損に対しては社会政策的見地より小口保険に対し厚からしむる事 四、会社の負担は自力出損を基調とし資力の許す範囲においてすべき事 の四原則に基き利率は年二分五厘より六分迄の間で、償還年限を五十ヶ年とすれば大体幾何の資金を要すべきか、又五千円以下の小口契約に対しては一割を出損し五千円以上の契約に対して漸減すれば幾何の資金を要すべきかその大体の数字を算出したもので右によれば協会側の内国会社全体の資力より算定し年利率二分五厘乃至三分とすれば一億円以上の借入金は可能なるも、之を四分とすれば七八千万円、五分とすれば五六千万円となり、六分とすれば役三千万円の借入能力しかないことになる、要するに償還年限と利率の関係によって会社の資金借入能力に非常の差を来すべく、これ等貸附条件は大蔵省側の意嚮によって定める必要があるの…
渋沢栄一