渋沢栄一 LOD ビューア
日記DiaryEntryDKB10008m-0253

九月九日

日付
1899-9-9(day)

説明

九月九日 晴、 午前七時二十分 上野 発ノ汽車ニ搭シ、曾テ 高崎 ノ実業団体ヨリ依頼セラレタル同地ニ開設スル秋季大会ニ赴ク、同行者ハ 中野 武営 、 荻原 源太郎 《( 萩原 源太郎 )》両氏ナリ、 午前十一時 過 高崎 着、団体員一同停車場ニ於テ出迎フ、着後荒町 岡田 源三郎 ト云フ割烹店ニ抵リテ休憩シ、午餐後高盛座ト称スル演劇場ニテ演説会ヲ開ク、荻原《( 萩原 )》、 中野 ノ両氏先ツ演説ヲ為シ、最後ニ国家ノ隆盛ハ実業ノ発達ニ在リト云フ演題ヲ掲ケテ、第一実業ト云フ文字ノ定義、第二実業発達ノ沿革、第三実業ト他ノ事物トノ関係、第四将来実業ニ対スル企望ト四節ヲ設ケ毎節詳細ニ之ヲ説明セリ (欄外) [劇場ノ体裁ハ略新富座位ノモノト思ハル、聴衆満員、寸隙ナキ様子ナリキ 午後四時 旅亭ニ帰リ来人ニ接ス、 午後六時 岡源楼ニ於テ団体ノ懇親会ヲ開キ、諸方来会ノ人アリテ総員百弐十余名ニ達セリト云フ、席上此団体ニ企望スルノ趣旨ヲ以テ一場ノ演説ヲ為シ、夜 十時 散会、夫ヨリ 中島 伊平 氏ノ宅ニ抵リテ投宿ス、此夜大雨、深更ニ至リテ歇ム

現代語訳

晴れ。

午前七時二十分、上野発の汽車に乗り、かつて高崎の実業団体から依頼されていた、同地で開かれる秋季大会へ赴く。同行者は中野武営、萩原源太郎の両氏である。

午前十一時過ぎ、高崎に到着。団体員一同が停車場で出迎えた。到着後、荒町の岡田源三郎という割烹店に行って休憩し、午餐後、高盛座という演劇場で演説会を開く。萩原、中野の両氏がまず演説を行い、最後に「国家の隆盛は実業の発達にあり」という演題を掲げ、第一に実業という文字の定義、第二に実業発達の沿革、第三に実業と他の事物との関係、第四に将来の実業に対する希望、という四節を設け、各節について詳細に説明した。

劇場の体裁は、ほぼ新富座くらいのものと思われる。聴衆は満員で、寸分の隙間もない様子であった。

午後四時、旅亭に帰り、来客に応接する。午後六時、岡源楼で団体の懇親会を開き、諸方から来会した人があり、総員は百二十余名に達したという。席上、この団体に期待する趣旨で一場の演説を行い、夜十時に散会した。

それから中島伊平氏の宅に行き、宿泊する。この夜は大雨で、深夜になってやんだ。

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言及場所

IRI:https://shibusawa.or.jp/lod/diary/entry/DKB10008m-0253

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