渋沢栄一 LOD ビューア
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是日原田助、アメリカ合衆国ハワイの実業家フランク・シー・アサートンが、同地ロータリー倶楽部に於て、同国千九百二十四年移民…

日付
1928-4-10(day)
和暦
1928年 (昭和3)
伝記資料 階層
3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 > 1部 社会公共事業 > 3章 国際親善 > 2節 米国加州日本移民排斥問題 > 3款 日米関係委員会
第35巻
p.77-p.78

説明

是日原田助、アメリカ合衆国ハワイの実業家フランク・シー・アサートンが、同地ロータリー倶楽部に於て、同国千九百二十四年移民法修正の必要を説きたる要旨を、栄一に報ず。

伝記資料 本文

この綱文の根拠となる出典史料の本文 1 件

  1. (原田助)書翰 渋沢栄一宛 昭和三年四月一〇日

    第35巻 p.77-78

    (原田助)書翰  渋沢栄一宛 昭和三年四月一〇日 (渋沢子爵家所蔵) 昭和三年四月十日 東京                  ホノルヽニテ 渋沢子爵閣下              原田助 粛啓、時下愈御安泰奉恭賀候、次ニ小生儀頑健罷在候間御休神奉願候偖当地フランク・シー・アサートン氏事此程外遊ヨリ帰布サレ候、昨年八月当地発欧洲諸国巡遊殊ニゼネバノ国際聯盟会議傍聴後同会ノ組織活動等ノ視察ヲ遂ケラレシ由ニテ、帰布後演説中ニ大ニ国際聯盟ノ事業ヲ称揚シ、又ロタリー倶楽部席上ニテハ米国移民法修正ノ必要ヲ説キ大ニ感動ヲ与ヘラレ候、同氏ノ如キ実業界其他ニ於テ重要ノ位地ニアル人ヨリ、斯ル修正意見ヲ耳ニスルニ至リシ事、当地ニ於テハ近頃顕著ナルノミナラス、会衆ノ之ニ共鳴スルニ至リシハ更ニ注意可致事ト存候、是ヨリ少シ前(アサートン不在中)当地英字新聞アドワタイザーモ大陸新聞ノ社説ヲ引用シ、日米国交ヲ完全ニスル為メ移民法ノ修正必要ナル旨ヲ公言シタルニ徴シテモ、米国輿論ノ変遷ヲ窺フニ足ル義ト奉存候、別紙ア氏ノ演説切抜供御参考候 偖「太平洋問題調査会」第三回会合ヲ来年十一月東都ニ於テ御開催ニ御決定ノ旨昨日電報ニテ拝承仕候、就テハ幹事デヒス氏不日錦地ニ来上、種々御打合セ申上候事ト存候 小生義本年七月シアトルニテ開会ノ「国際問題調査会」ヘ当大学ノ代員トシテ推薦ヲ受ケ候ニ付出席ノ予定ニ御座候、其序ヲ以テ太平洋沿岸ノ我同胞ノ最近ノ状態ヲ視察致度、六月初旬当地出発八月初旬帰布ノ積ニ御坐候 遥ニ閣下ノ御健康ヲ奉祈候 匆々敬具 (別紙訳文) (栄一鉛筆) 七月二十七日○昭和三年一覧原田氏を通してアサートン氏に対して国際聯盟に関する一編の意見書を示し度と相考候事 子爵に御覧に入れる様にとて、ハワイ大学教授原田博士より送越されたる同地発行新聞の切抜を翻訳せしもので御座います - 第35巻 p.78 -ページ画像 昨日正午陸海軍基督教青年会館に於て開かれたロタリー倶楽部会合の席上に於て、フランク・シー・アサートン氏は国際平和に関する話をされが、大要左の如くである。 「余は移民法は最近米国の為せる最も不幸なる過失の一であると考へるものである、倫理的立場を暫らく離れて考へて見ても、移民法は決して穏健な遣り方ではない。幾百万人の東洋人全部に向つて門戸を開放する事は出来ないが、差別待遇は人種の相違を基礎として行はれたものだといふ印象は至急打消さなければならない。 「此問題は良く研究せらるべきもので、吾々は如何にせば差別的の感情を癒し得べきかといふ事を考へねばならぬ。」米国が世界の各国に対して払ふべき考慮、即ち米国は何故他国と関係を保たねばならないのかと云ふ質問に関し、アサトン氏は次の如く言はれて居る。 「吾等米国人中斯く言ふ者がある『吾国は諸国と離れねばならない』と。そうした事が可能であるか何うか、一寸実業家に聞いてみるが良い、世界は着々縮小せられつゝある。昔は通常の人なら一日五十哩を旅行する事が出来たが、今日では幾百哩を旅する事が出来る。リンドバーグ氏は一日幾千哩を飛んだ。鉄道・無線電信・其他の発明によつて隣国との関係は益密接の度を加へつゝあるのであるから、吾々は彼等との関係を考へなければならない。 「吾等は国内に於ける事業経営の方法を学んだ、今や他国を諒解する事を学ばねばならぬ。然らざれば吾国の運命は知るべきのみである。取引上の親善は奉仕と諒解とによりて開拓せられるが、国際間の親善を開拓する事も亦均しく必要である。 「米国の輸出年額は五十億弗に上つて居る。欧洲が大戦後疲憊したに反し米国は膨脹した。併乍ら欧洲は恢復の緒につき、製造も増加し貿易額も旧に復らんとして居る。米国が強い競争相手に直面する時も遠くあるまい。 「貿易額の減少は事業の減少と繁栄の減退とを意味する。目下米国の問題といふのは、米国は貿易を現状維持に留め置くべきや、将た又それを増加すべきやと云ふ事である。機械や人力の活動を増すに従ひ、売捌口と労働者の働き口とを益多く見出さねばならない。そして売捌口を多くする最も良い方法は外国に市場を開拓するにある。 「合衆国の繁栄を期する最良の方法は対外輸出額を増加するにある。東洋は米国にとつて最も良い得意先の一つなれば、東洋の経済状況の良好に向ふ事を望むべきである。 「吾国は外国の経済及財政状況を諒解し研究せねばならない。諸外国と無関係であるが如き態度を取る事は不可能である。 ○下略 ○右新聞名不明ナリ。

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